その2・燃料電池用DCDCコンバータ 2003.04.18
燃料電池の特性測定をふまえ、DCDCコンバータは降圧型・入力電流一定制御、
そのほかの保護機能として逆流防止、燃料電池電圧低下保護、
キャパシタ充電時の出力電流制限をくわえました。
回路の試作には鹿野研OBのK氏が協力担当、1週間で試作完了。
とりあえず、試作の回路を配線して動かしてみることにしました。

写真:燃料電池用DCーDCコンバータ(ソーラーカー用PPTと同じアナログ制御)
あくまで試作といっても本番で使用予定のユニバーサル基板です。
DC-DCの性能測定確認
DC-DCの入力にはFCに代えて直流電源、出力には470F・7直列のスーパーキャパシタと
モーターの代わりに定電流負荷を接続しました。

写真:測定装置
早速動作をチェック、入力電流は5Aとしてスイッチオン、
キャパシタに充電が始まり徐々にキャパシタ電圧が上昇。
降圧型のため出力電流制限がかかり10A一定に、
結果入力電流はいきなり5A流れずに徐々に増加。
この特性は燃料電池でいきなり出力を取り出すと、急激な電圧降下を起こので、
徐々に負荷を増加する点からも燃料電池との相性も良さそうです。
キャパシタ電圧が少しでも上がれば出力制限が解除になり入力5Aで充電、
一定入力電力でキャパシタ充電され、その後入力電圧まで徐々に上昇して充電完了。
この満充電までの時間は約3分程度で終了しました。
次にキャパシタと並列に接続した電子負荷を、モータに見立てての動作確認。
20Aまで一気に流しその後4A一定に、キャパシタ電圧が8Vまで低下したものの
入力にはほとんど影響なし。キャパシタの偉大さとDCDC動作に改めて感心です。
・・・もしスタートでキャパシタとDC-DCが無かったら燃料電池は???
更に確認として、燃料電池の低電圧保護を実験、
今回実験では保護電圧を高めの9.5Vに設定。
入力電圧を徐々に下げ、9.5Vになったとたんに入力OFF&出力OFF、
もちろんキャパシタからの逆流なし。これで燃料電池は壊さずに済みそうです。

図:DC-DCの測定結果 (詳細図はこちらPDF)
翌日早速、燃料電池に繋いでモーターの動作点検を某チームの作業場にて行いました。
新たにいくつかの問題点が出たものの、DC-DCについてはほぼ満足のいく結果となりました。
DC-DCコンバータの効率特性

入力電圧の低電圧保護を0Vにしてさらに効率改善できれば、鉛蓄電池を使ったマシンでも
キャパシタへの定電流放電に応用できそうです。
1・燃料電池の特性測定
2・燃料電池用DCDCコンバータ
3・燃料電池の発電試験
4・燃料電池のFan対策・その1(大型Fan実験)
5・燃料電池のFan対策・その2(電圧安定)
6・WEM FCクラス大会レポート
7・燃料電池のプレ加温効果
おまけ 燃料電池発電の水素消費量
燃料電池用DCーDC仕様
燃料電池加温Box
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