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燃料電池用DC-DCコンバータの開発

2003WEMのFC部門にエントリー、FCクラス3位の宇都宮工業高校チームに搭載した
燃料電池用のDC-DCコンバータの開発を行いました。

その1・燃料電池の特性測定
その2・燃料電池用DCDCコンバータ
その3・燃料電池の発電試験
その4・燃料電池のFan対策・その1(大型Fan実験)
その5・燃料電池のFan対策・その2(電圧安定) 
その6・WEM FCクラス大会レポート
その7・燃料電池のプレ加温効果smallnew.gif (926 バイト)
燃料電池用DCーDC仕様
燃料電池加温Box

燃料電池の特性測定                             2002.04.08

某チームより大同メタル工業製60W燃料電池(HFC-1250)と水素吸蔵合金ボンベを借用、
興味津々に発電特性を測定することになりました。

   wpe17.jpg (13492 バイト)大同メタル工業製60W燃料電池

測定に当たり、発電電圧・電流を測定することに。
更に事前情報でボンベを燃料電池の熱で加温するということになったので、試しに
ボンベ表面温度・燃料電池セル温度についても温度センサを取り付けて自動測定で行うことに決めました。
配線・配管をしてガス圧をあげると・・・・・徐々に電圧が出てくる、感動の一瞬です。
   wpe19.jpg (15279 バイト)実験装置全景

5分間のアイドリングを終えて、早速出力を定電流電子負荷で4A一定放電として実験、
4Aでは通電直後の電圧が10V程度まで低下、その後2分程度で電圧が回復と初期電圧ドロップ
が思ったより大きいようです。モーターを直結した場合では5〜6Aまでしか起動電流とれないかも?。
更に思ったよりボンベの温度低下が速く、室温25℃では10分程度で10℃近い低下、
ここでボンベ圧が上がらず圧力調整バルブを回しても圧は減るばかり・・・・・ガスがもうない?
とりあえずストップ。

wpe1A.jpg (29549 バイト) 詳細はこちらPDF

結局ボンベが冷えすぎて、水素吸蔵合金からの水素ガス放出の熱エネルギーが得られないために
ガス圧が低下と判明。このときのボンベ表面温度は約13℃程度。
実際の大会では2本使うので、温度低下はもう少しゆっくりとなるでしょうが、あまりにも速すぎる・・・・

さらにガス停止後の冷えたボンベは温度が上がらない、
室温放置では1時間経ってもまだ元の温度には戻りません。
ボンベ2本搭載できるので、ボンベを交互に切り替えて温度回復&水素供給量を増やすという作戦は
この時点でダメということが判明。

十分温度が戻ったボンベで発電停止するまでの実験を行うことに、
ただし今度はボンベの水素供給量を半分(実際の大会での1本分の水素供給量)にするため
2Aとしてとしての実験をしてみました。

wpe1B.jpg (28098 バイト) 詳細はこちらPDF

ボンベの温度低下は4A時に比べゆっくりとはなったものの、ボンベ表面温度14℃程度で水素ガス圧低下&ガス圧ゼロ、
これによって発電低下し電圧保護回路作動してストップしてしまいました。

ボンベの表面温度を測ればボンベから水素の供給が止まるかどうかの判断はできそうです。
春とはいえ、5月の秋田の気温を考えると、どうやってこの温度低下を解決するか、
参加チームの対策が非常に気になります。

さて、続いてはこの結果を基に燃料電池用DCDCを考えてみます。

その2・燃料電池用DCDCコンバータ へ続く

おまけ・今回使用したFCの電圧・電流と電力の特性をグラフにまとめました。
11V〜12V付近で70W程度(あくまでも参考)の出力が確認できました。

wpe1C.jpg (32678 バイト)