WEM大会での「燃料電池のセイロ蒸し」は器具が間に合わず実現しませんでした(爆)が、
本当に温蔵庫を使った燃料電池のプレ加温が効果があったか?、本人も疑心暗鬼。
それなら、実験しちゃえ!ということに。
そこで、燃料電池をプレ加温した効果について報告します。
まずは大会でも使ったペルチェ温冷蔵庫を用意。
どこにでも手には入るアウトドア用の100Vでも車の12Vでも使えるものです。
燃料電池をセット。 燃料電池用という感じでピッタリフィット。
もちろんこのときに加湿も忘れてはいけません。
Boxの中に水で湿らせたティッシュを一緒にセットします。
写真:温冷蔵庫中の燃料電池
早速電源SW・ONで保温開始、4時間ほどこのままにしておきます。
・・・・・4時間後、Box内部温度は50度近くまで上昇、
セル破壊温度は80度なので余裕の温度です。
保温庫の蓋を開けるとムッとした蒸気が出てきて、程良い「蒸し上がり」です。
早速、これを排気Fan付き加温ケースにセットして実験開始。
もちろん燃料電池用DCDCもセットします。
燃料電池の外側に取り付けた温度計温度は約40度。
この状態で5分間のアイドリングを行いました。
アイドリング終了を待って燃料電池から50Wで発電開始。
同時にFanもすべて回転、加温Boxに取り付けた大型の排気Fanもあるので
燃料電池温度がはじめ一気に下がります。
図 : 燃料電池のプレ加温による発電特性(電力・温度特性)
発電開始10分後から徐々に燃料電池温度も上昇。
水素吸蔵合金は1本ながらも、温度低下少なく27度をキープして安定水素を供給してます。
20分発電させたところで、スイッチoffで実験ストップ、
Fanを止めると燃料電池温度は40度程度まで急激に上昇、
と今回の水素吸蔵合金の組み合わせのなかで一番安定な発電でした。
そこで、プレ加温しなかったら・・・・ということで翌日は比較実験を行いました。
図 : 燃料電池のプレ加温無しでの発電特性(電力・温度特性)
実験開始時の温度は室温28度程度、前回同様に5分間のアイドリングを行い、
アイドリング終了を待って燃料電池から50Wで発電開始、同時にFanもすべて回転。
すると・・・ヴェ、パワーがダウンしてる!!。そう燃料電池のパワーがあっという間に下降。
すかさずパージバルブでパージすると元のパワーに戻るものの、直ぐにまた下降。
燃料電池温度は大型排気Fanのためか、ゆっくりとしか上昇しない。
パワーが40Wを下回った時点でパージを繰り返す。
10分定度経ったとき、ようやく発電が安定、燃料電池に取り付けた温度計も33度。
この後は前日の加温した発電と同様な特性を描いて実験終了。
燃料電池は冷やしすぎても発電が安定しない事が判明。
ということは、WEM本戦での「燃料電池のセイロ蒸し」作戦は、大成功!
始動時から安定したパワーを取り出せることが判明しました。
結論:燃料電池のプレ加温は有効です。
1・燃料電池の特性測定
2・燃料電池用DCDCコンバータ
3・燃料電池の発電試験
4・燃料電池のFan対策・その1(大型Fan実験)
5・燃料電池のFan対策・その2(電圧安定)
6・WEM FCクラス大会レポート
7・燃料電池のプレ加温効果
おまけ 燃料電池発電の水素消費量
燃料電池用DCーDC仕様
燃料電池加温Box